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Patent2023.10.13

細胞集団同定の自動化技術システム(特願2023-504112)に関する特許査定のお知らせ

当社は最新の研究開発において、免疫細胞の特定や数の測定、いわゆる「免疫プロファイリング」および「免疫モニタリング」に関する独自の自動解析システムを開発しました。

2023年9月4日に日本特許庁から特許査定を受けましたので、お知らせいたします。

がん治療における免疫チェックポイント阻害薬の効果を事前予測するためには、血液中のTh7Rという特定の細胞集団を正確に識別し、その数を測定することが重要であります。当社顧問である埼玉医科大学教授各務先生も、これに関する研究データを2022年のCancer Res誌にて公表し、多大な成果を上げています。

しかしながら、これまでの細胞集団の同定作業は人の手によるものであり、再現性や労力、時間などの問題が存在していました。当社の新技術「rippleT」は、これらの問題を解決するためのシステムを提供します。自動解析により、正確かつ迅速な細胞の識別・測定が可能となり、大量の検体データも短時間で処理できるようになりました。

特に注目すべきは、従来技術の図Aと本願発明の図Bの対比です。図Aに示される従来の方法では、細胞群の境界が曖昧であり、正確な分類が難しいという課題が存在しました。しかし、図Bの「本願発明」では、この問題を解決し、ピーク数を基に特定の細胞集団を自動的に識別・分類することができます。

(従来技術:図A)
(本願発明:図B)

免疫プロファイリングやモニタリングは、疾患の経過や治療の予後を知るため、また治療法を選択するための重要な測定内容として、当社の新システムが効率化を実現します。このシステムにより、例えば老化といった現象との関係を明らかにするとともに、新しい治療法や診断薬の開発への寄与が期待されます。さらに、本願発明により、得られる細胞プロファイリング結果と臨床情報との相関解析も行うことが可能となります。この先進的な技術の導入により、医療現場での免疫プロファイリングやモニタリングの精度と効率の向上が実現され、治療の適切な選択や予後の把握に貢献することが期待されます。

当社はこの免疫プロファイリングシステムが新たなスタンダードとなることを目指しております。

ImmuniT Research Inc.

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