当社と学校法人埼玉医科大学との共同研究成果である特許出願「癌治療に対する応答を予測するためのバイオマーカー」に対し、特許(特許第7175068号)が成立しました。
当該特許出願「癌治療に対する応答を予測するためのバイオマーカー」(以下、「本出願」といいます。)に対し、このたび特許(特許第7175068号)が成立しましたので、お知らせいたします。加えて、外国出願及び日本における分割出願についても引き続き権利化が進められることになっております。
オプジーボ®やキイトルーダ®などの免疫チェックポイント阻害剤は、多くの種類のがんで画期的な治療効果を示しており、他の薬剤との併用も含めて世界中で新たな研究開発も精力的に進められています。他方、治療開始後、早期に病勢増悪を認める無効例が約半数に見られることも知られています。そのため、治療前または治療開始後早期に効果を予測し、適切な症例に適切な免疫チェックポイント阻害剤を選択する技術の開発が急務とされています。当社は、埼玉医科大学リサーチパーク内に研究室を開設し、同大学との共同研究のもと、当社サイエンス顧問である埼玉医科大学の各務博教授の研究成果である特許第6664684号の技術に基づいて、がん患者の末梢血中における特定の免疫細胞(CD62LlowCD4 T細胞)の測定による、免疫チェックポイント阻害剤であるPD-1阻害剤又はPD-L1阻害剤の効果予測の事業化実現にまい進しておりました。
本出願もまた、埼玉医科大学の各務博教授との共同研究の成果であり、CCR4-CCR6+CD4 T細胞という新たな免疫細胞に関するものです。本出願の成果により、これまでと比べてより簡便に、かつ極めて高い感度と特異度で、PD-1阻害剤又はPD-L1阻害剤の効果を予測することが可能となり、当社が目指す免疫チェックポイント阻害剤の効果予測の事業化は大きく前進いたしました。さらに本出願は、PD-1阻害剤又はPD-L1阻害剤の効果予測のみならず、化学放射線治療の効果予測などの癌治療の予測をもカバーするものです。
今回の本出願の特許成立をうけ、当社はコンパニオン診断関連事業の日本における独占的事業化を目指すとともに引き続き、個別化抗癌免疫治療実現にまい進してまいります。