弊社サイエンス顧問の埼玉医科大学国際医療センター教授各務博先生の論文がCancer Researchにオンラインで発表されました。
埼玉医科大学国際医療センター呼吸器内科教授の各務博先生を筆頭著者とする新しい論文が、Cancer ResearchのOnlineFirstにおいて公表されました。論文タイトルは、Single-cell analysis reveals a CD4+ T cell cluster that correlates with PD-1 blockade efficacyです。
この論文では、抗腫瘍免疫に関与するCD4 T細胞クラスターを特定するために、シングルセル遺伝子発現解析を行いました。その結果、CD62Llow CD4+ T細胞亜集団のうちCXCR3+ CCR4- CCR6+およびCXCR3- CCR4- CCR6+の2つのクラスターの末梢血中の細胞頻度が、抗PD-1抗体療法後の肺癌患者の無増悪生存期間および全生存期間と優位に相関し、さらには腫瘍微小環境におけるCD4 T細胞の浸潤とも相関していました。この2つのクラスターの細胞はともにIL-7レセプターとTCF7を高発現しており、合わせてTh7Rと呼ぶことを提唱しました。以上より、Th7Rが免疫状態とPD-1遮断による治療に対する感受性を予測できるクラスターであり、このことは個別化抗癌免疫治療の戦略への道を開くことを示唆すると結論しました。
[補足]
この論文の記載内容の一部は、埼玉医科大学により特許出願されています。当社は、同大学より独占的通常実施権を取得しております。実施権の一部は、当社よりBoehringer Ingelheim社他に再実施を許諾しています。
当社は埼玉医科大学リサーチパーク内に開設した埼玉研究所において、本出願中の特許に関して同大学と共同研究に取組んでおります。