当社と学校法人埼玉医科大学との共同研究成果である欧州特許出願EP22153621.2号に対し、特許付与予定通知が発行されました。
当該欧州特許出願は、埼玉医科大学の各務博教授との共同研究の成果であり、PD-1阻害剤等の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与されるCD62LlowCD4+ T細胞を含む細胞療法剤に関するものです。
オプジーボ®やキイトルーダ®などの免疫チェックポイント阻害剤は、多くの種類のがんで画期的な治療効果を示している一方で、治療開始後、早期に病勢増悪を認める無効群が約半数に見られることも知られています。そのため、当社は、がん患者の末梢血中における特定の免疫細胞(CD62LlowCD4 T細胞や、CCR4-CCR6+CD4 T細胞)の測定による、免疫チェックポイント阻害剤であるPD-1阻害剤又はPD-L1阻害剤の効果予測の事業化実現にまい進しているところです。
そのような効果予測事業に加えて、当社はさらに、免疫チェックポイント阻害剤を投与しても無効群となってしまう患者を奏効例に変えるためのアプローチを研究開発しています。それが当該欧州特許出願に係る発明である、CD62LlowCD4+ T細胞を含む細胞療法剤です。
当社の免疫チェックポイント阻害剤効果予測技術によって無効群となるリスクが高いことが判明した患者であっても、当社の細胞療法剤を免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することによって、免疫チェックポイント阻害剤が奏効し、がんが治療できると考えられます。実際に、腫瘍モデルマウス実験においては、抗PD-1抗体単独投与群と比較して、抗PD-1抗体と当社の細胞療法剤とを組み合わせて投与した場合に、腫瘍モデルマウスの生存率が向上することが実証されています。 当該欧州特許出願に対する今般の特許付与通知をうけ、当社はコンパニオン診断関連事業の事業化を目指すとともに、引き続き細胞療法剤の研究開発を進めてまいります。